ありったけ生きる。

名前を持たぬはい虫(イラスト)は名前が欲しい。なんとか一個の人格として認められたい。そこで「心から崇拝」しているスナフキンに命名を依頼する。スナフキンは「おまえさん、あんまりおまえさんが誰かを崇拝したら、ほんとの自由はえられないんだぜ」とたしなめるが、「ティーティーウー」と言う名前をつけてあげる。すると名前を得たティーティーウーは喜びのあまり何処かに行ってしまう。今度はスナフキンがなんだか彼のことが気になり探し出した。そして今夜は話をしようと誘う。ところがティーティーウーは、崇拝していたスナフキンからの申し出を、名付けてもらった謝意を伝えつつも丁重に断ると次のような言う。「いまはぼく、とってもいそがしいもんでどうぞおかまいなく。チューリオ。ムーミントロールに、ぼくからよろしくとつたえてください。ぼくは、ありったけ生きるのをいそがなくちゃならないんです。もうずいぶん時間をむだにしちまったもんでね。」「ぼくはありったけ生きるのを…」ぼくはありったけ生きるのを、ぼくはありったけ生きるのを!過去を生きるのでも未来を生きるのでも他者の人生を生きるのでもない、はい虫の命の躍動がこのことばに詰め込まれているようで胸が熱くなった。