連鎖関係代名詞の省略

東北大学2015年度出題の英文の冒頭。

"In the mid-eighties I came to America from Poland for an academic exchange program. I saw stores overflowing with goods I didn't know existed."

goods I didn't know existedの部分について、何となく意味はわかるけど、文法的にスッキリしない、という高校生は意外と多いのではないかと想像し記事を書くことにしました。

これは連鎖関係代名詞という仰々しい名前を冠する文法が用いられていますが、普通の関係代名詞節内部で起こることと同じことが起こっているので、特別な名前で学習者を驚かせる必要はあまりないのかもしれませんが、名付けることによって類例に出会ったときその文法だと認識しやすくなることもあるので、用語の果たす役割も軽視できないと考えています。連鎖関係代名詞とは要するに、後ろに思考・認知を表すthink/feel/believe/knowなどの動詞が用いられるSVが後続する関係代名詞と考えればよいでしょうか(先行詞+関係代名詞+I think~などの構造)。関係代名詞節内部では必ず先行詞の入る穴が開きます。欠落が生じます。I like the coffee shop that you don't like.では他動詞likeの目的語の欠落が生じています。これは高校の英語表現の時間に学習することなので、日常的な文法事項だと思います。同様に、goods I didn't know existedという「連鎖関係代名詞」という大袈裟な節の中身も、I didn't know△existedとexistedの主語が欠落しています。そこに先行詞goods(they)が入ります。先行詞の入る穴が開くという点では全く同じことですよね。見慣れないけど、見慣れているものと同じ現象が起きてるだけでしょうか。ただ、この場合(goods I didn't know existed)、この箇所で最も違和感を覚えるのは、主語が欠落=主格の関係代名詞なのに、それを省略できるの?という点かなあと想像します。連鎖関係代名詞のカタマリにおいては限定用法(制限用法)の場合、関係代名詞は省略可能であり、それがこの文に適用されているというのが結論だと思います。

試みに『ロイヤル英文法』(旺文社)p651の例文を対照して確認してみます。

I saw a woman (who) I thought was a friend of my mother's.(限定用法の連鎖関係代名詞)

John, who I remember was good in math in high school, is now majoring in engineering in college.(継続用法の連鎖関係代名詞節)

ちなみに、上掲書、同頁には目的語が欠落している例も掲載されていますが、やはり欠落が生じるという点でなんら普通の関係代名詞の決まり事とかわらないですね。

以上、謬見等があればご教示ください。当方、永遠の英語学習者です。

写真は「よし、これらの文法書を薬籠中のモノにしてやるゾ」、ではなく、そうなればいいかな、程度に意気込みを寄せている「現代英文法講義」(安藤貞雄)と「ロイヤル英文法」です。